地域産品開発

地域産品の開発・改良を、ニフティと電通で共同で立ち上げたプラットフォーム「うまいもんプロデューサー」を通じて実施した。「うまいもんプロデューサー」は「うまいもん」を作る全国の食品事業者と、「うまいもん」が大好きな全国のインターネット利用者が協力して、「うまいもん」を磨き上げ、世の中に送り出してゆくプロジェクト。既存商品の改良から新規の開発、商流の提供などをワンパッケージにして提供した。自治体や地方銀行と連携し、複層的に展開を図った。
正確には数えていませんが、全国各地の、おそらく100近い食品事業者を実際に訪問させていただきました。地方銀行や自治体のご担当にアテンドいただき、製造の現場を拝見しました。悩みを伺い、課題を見つけ、その解決をしようと誠実に向き合ったことは間違いありません。商品化やリニューアルに成功し、売れ行きが上がったケースもありました。しかし、このプロジェクトだけでは解決しきれなかったことが多いのもまた事実であり、プロジェクトそれ自体がまわりきらなかったことも含め、反省点の多い仕事となりました。

・事業者の商品開発の視点で言えば、インターネットユーザーから届く声は、自分ではなかなか見つけづらい、自分の良いところを発見するためによく機能します。マーケット・インの商品づくりを地方の事業者にも簡易に提供する機会にはなりました。しかしその声によって事業者が逆に惑ってしまうケースもありました。事業者にとって解決可能なリソースを越えたアイディアには対処できないこともありました。商品の原価設計や原材料の調達キャパシティなどを踏まえきれず、十分な生産が確保できないケースもありました。たとえプロダクト・アウトであっても、生産資源の確保と販売計画の積み上げをしっかり行い、数字も含めた内側の把握を整備することが、事業者にとっては重要だと痛感しました。

・プロジェクトマネジメントの視点では、早期のローンチに走りすぎたため、売上獲得のシミュレーションが不十分だったことが反省点です。事業者からの直接の申し込みが期待したほど伸びませんでした。完成商品の販売スキーム連携が脆弱であったことも否めません。手作業の領域が多く、手をかけるほどには収益が上がらないという悪循環を起こしました。もう少しシンプルな構造でスタートさせるべきだったという反省もあります。

至らぬ部分が多く、ご迷惑をおかけした方にはお詫びを申し上げます。仕事としてご紹介するほどのものではありませんが、この反省はその後に生かしているつもりでもあり、記録して残そうとする次第です。
Project Owner
ニフティ×電通
Agency
−(自主事業)
Role
プロデューサー
From-To
2013-2015