2018年度までの鹿角市は同事業を東京の返礼品取扱事業者に委託していましたが、道の駅業務を進めてゆく中で、恋する鹿角カンパニーに可能性を認めていただき、2019年度から同事業を担当することになりました。
正直に言って、返礼品の取扱業務は地元でやるべきだと考えます。そうでなければ、せっかく集まった地域への資金が域外に還流するだけだからです。域外の事業者も収支を合わせるためには、たくさんの自治体を担当しなければなりません。当然各地の掘り起こしは薄くなります。総務省の30%ルールは公正な競争維持のために妥当な施策だと思うが、50%ルールに関しては一律に適用するのではなく、地域の事業者(商工会や観光協会が域外事業者に丸投げするケースを除く)が運用する場合は緩和するなどの措置が必要だと思います。行政の内部で当該業務を完結させることも可能ですが、収益事業として地域への波及を考えて取り組むとすると、地域内の商流の司令塔になる地域商社等を育成する資金いう立て付けで政策を設計することが望ましいと考えます。
ふるさと納税事業の良いところは、行政と取扱事業者が同じ目線で事業に取り組むことができるところだと言えます。行政からの受託事業は対面型になるケースがほとんどで、発注者受注者の関係が拭い難く、地域の活力を削いでいるように見えます。ふるさと納税の場合は寄付額が伸びれば伸びるほど行政も歳入が増え、取扱事業者も多くの場合手数料は料率で決まるため収入が増えます。双方WinWinの形で地域に貢献することのできる事業構造になります。
補助金型の単年度執行による事業育成ではなく、頑張った分だけ見返りがあるという構造を定着させることが、今後の地域の持続的な発展に向けて不可欠な視点ではないかと考えます。